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開業2年で3拠点の多店舗展開 スピード感を最大の武器に急成長

      2015/09/14

司法書士法人・行政書士事務所オフィスワングループ(福岡県福岡市)を率いる島田雄左氏(代表・司法書士)は、開業からわずか2年で多店舗展開を実現、多くのお客様にサービスを提供している。その成長の秘密とネットワークの作り方について話を伺った。

ビジネスの柱を明確に登記と不動産に集中

―2012年3月の開業からわずか2年で3拠点を開設されています。

島田雄左氏( 以下、島田氏):モットーとして「スピードは最大の付加価値」と考えています。これは対顧客だけではなくて事務所経営にも通じるもの。開業からこれまで、いかに早く展開していくかと考えて行動した結果です。

―ビジネスの柱はどうお考えなのでしょうか。

島田氏:登記と不動産の二本柱がメインです。すべての活動は、この二本柱に収斂されていくように構築しているので、基本的にはBtoBです。チャネルも必然的に不動産会社と金融機関になりますね。

そう決まれば、次は不動産会社が喜ぶためにはどうすればよいかと考える。ただ付き合っているだけでは不動産会社にとって我々は下請けでしかありません。

彼らにほかの司法書士と違う価値を提供することで差別化を図る、そのためには何をするべきかを考えています。

―不動産会社や金融機関とのネットワークはどうやって作ったのですか?

島田氏:司法書士という立ち位置って実は恵まれている点があるんです。

たとえば不動産取引がある際、日にちを決めて銀行で会いますね。そこには売主さん、買主さん、不動産会社がいて銀行の担当者もいる。これってすごいことで、司法書士はたった1日で4~5人と一気に知り合えるんです。

この1回の出会いをどう大事にするかなんですよね。名刺をもらってから営業を掛けるか掛けないかが勝負だと思っています。

1週間に3回会えば次につながる島田流ネットワークの作り方

―どのようなフォローを行っているのですか?

島田氏:その週のうちに3回会うことを心がけています。まずはその日のうちにお礼の電話を入れますよね。そうしたら、後日また電話して「ゆっくりお話をしたい」とお願いします。当社のビジネスや仕組みをお話して提案し、認知してもらうんです。

ただこれも難しいところで、これだと2回で終わってしまうんです。

認知してもらうためには3回の壁があって、3回は会わなきゃいけない。2回だと顔を覚えてもらえないんですね。

―3回目を作るのは大変ですよね。

島田氏:そのためにはいろいろな手を使いますよ。たとえば、本当は2回目で説明できるツールなども、あえて忘れていくんですよ。それで「今日忘れてきたのでまた来ていいですか?」とつないだり(笑)。とにかく会うのは大事ですね。

―開業以降、ビジネスが軌道に乗り始めたのはいつくらいですか?

島田氏:1年経ったころですね。それまでは売上が乱高下して大変でしたが、1年経った3月、年度末って不動産会社とか金融機関って依頼が殺到するんですね。その時初めて利益が200万円とか出たんですよ。やっとやり方がわかったと思って。それからですね。

そこから腹をくくって先行投資で行くしか無いと。銀行にこれから一気に店舗を増やしていくから、1千万円貸してくれってお願いして、路面店を作って、採用して、売上もないのに司法書士を入れて。それで今に至っています。

―今後の目標を教えてください。

島田氏:3つありまして、ひとつは多店舗展開を今後も続けていくこと。2つ目はワンストップサービスを追求していくこと、3つ目が相続などのシニアサポートサービスの充実ですね。

なんにせよ、当社の事業の柱は登記と不動産。登記を取るために何をやるかというのがすべてですね。

不動産会社作っても信託会社作っても債権回収会社を作ってもいいと思うんですよ。ただ登記という軸がズレたらダメ。飲食店を作ったってできるんですけど、そんなの意味が無いんですね。 方向性がやっと決まったので、今後は加速度を付けて走り続けたいと思います。

私が税理士だったら何をする?

発想1:顧客獲得のための仕組みを作る会計事務所の常識にとらわれない
顧問を取りたいなら顧問を取る仕組み、相続を取りたいなら相続を取る仕組みを作りますね。

たとえば、相続をやるなら信託会社を作る、相続センターを作るといったようにです。「周りを攻めて自分に帰ってくる仕組み」といったら良いでしょうか。

あとは保険ショップをやりますね。路面店で。保険ショップの窓口の隣に税理士事務所があったら便利でしょう。保険も売れますし、自分たちのフィーにもなる。

また、富裕層向けにやるのであれば不動産会社をやってもいいですよね。

発想2:想定顧客の川上に立つ競合他社の先を見据えた展開
たとえば会社設立を手がけるのであれば、起業家やライバルよりも川上に立つためにはどうするかを考えますね。

お客様がお見えになるのを待つのではなく、起業セミナーをやるとか、彼らよりも先の先に行くことで攻めていくしか無い。

これも仕組み化の一環といえるかもしれません。起業したいという人をどう捕まえるかという仕組み化ですね。

結局、どんなビジネスもそうだと思いますが、お客様を持っている人が一番強いわけで、川上に立たないとどうしようもないでしょう。

でも私は司法書士を選んだんですけどね、あえて「一番下」から仕事をしているわけです(笑)。

『開業2年で3拠点を展開!若手司法書士のマーケティング戦略』

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