広瀬元義・勝手にコラム『業界最前線』
<vol.23>2010年は新しいことにチャレンジ!
今まで業績を横ばいでキープしてきた先生方から「いやー、今年はお客さんが減っちゃったんだ」「今年は大変だった」という声を多く聞いたのである。
こういうときに会計事務所は何をやっていくか。
「自分はなぜ会計事務所を始めたか?」
「お客様はなぜ自分を支援してくれるのか? なぜ選んでくれたのか?」
「職員はなぜ自分の会計事務所で働いているのか? なぜ会計事務所でなければならなかったのか?」
これらを考えると、会計事務所が何をしなければならないのかが見えてくるだろう。
それには、まず新しいことにチャレンジすることをおすすめする。2010年はそういう年にぜひしていただきたい。
いかに新しいテクノロジーを使うか
2010年は新しいことをどんどん取り入れていただきたい。特に新しいテクノロジーを積極的に取り入れることをおすすめする。具体的には新しいインターネットの仕組みを取り入れることが重要である。
インターネットはわれわれが想像する以上にすごいスピードで変化している。現在では「今の税理士先生がEメールを使えないので、新しい税理士を紹介してください」と、当社に問い合わせをしてくるくらいだ。いかに新しいテクノロジーを使うかによって、事務所の進化に加速度がつくのである。
まずは、事務所で使っているパソコンやインターネットの環境を見直して、最新のものにチェンジしてみることをおすすめする。
会計事務所が未来に向かっていくなかで、先ほどのように新しいものを取り入れる一方で、これまでのことを深く掘り下げる必要もあるだろう。深く掘り下げるにも、新しいことを取り入れながらも現在のベースを忘れないで突き進むか、新しいことを取り入れないで今までのことに磨きをかけるというやり方がある。
しかし、まったく新しいことを取り入れないで、例えば「巡回監査の精度を上げよう」と意気込んでも、恐らくうまくいかないだろう。
当社では顧問先紹介サービス「ビジネスマッ チング」を行っているが、次のような電話をよく受ける。 「当社の経理は簡単だから、毎月チェックする必要がない。それで月5万円の顧問料を払うならば、ほかのことをしてほしい。もしくは月2万円で十分」と、今の顧問税理士に対する不満を話して「税理士を替えたい」と紹介を依頼するのだ。
つまり「巡回監査100%」を目標にするのではなく、お客様に合った対応を心掛けるべきである。「このお客様は3ヵ月に一度でいい」「このお客様は毎月行こう」「このお客様にはコンサルティングをやろう」というように、お客様に合わせたサービスを提供していかなければならない時代に突入したといえるだろう。
新しいことを取り入れる3つのポイント
新しいことを取り入れる際に、次の3つのポイントを頭に入れておこう。
①やっていて心地よいことを取り入れる
自分が心地よく感じ、お客様も喜んでくれることは何かを考えよう。
②動機が肝心
新しいことを始めるには動機が肝心である。「ただ儲かりそう」「これならよさそう」「こっちの水が甘そう」ではなく、会計事務所として自分がやりたいと思う基本動機と合致しているかを考えてから、新しいことを取り入れてみよう。
③結果的に利益につながるものを
新しいことを取り入れた結果、事務所が儲かり、お客様にも支援され、利益を職員にも還元できるかどうかが大切である。
新しいことを取り入れる一方で「今年やめること」「今年考えること」もピックアップしてみよう。
「取り入れること」「やめること」「考えること」の3つをテーマにして、それぞれを5~10個ほど紙に書き出してみることをおすすめする。
今年は2010年という区切りがよい年である。2020年、2030年の事務所の未来も、この機会に構築してみてはいかがだろう。
広瀬 元義
株式会社アックスコンサルティング
代表取締役 会計事務所マーケティングの第一人者。1988年 株式会社アックスコンサルティングを設立。不動産コンサルティング、会計事務所向けコンサルティングを中心に業務を展開。2005年からは、会計事務所の ネットワーク組織『FANアライアンス』を新たにスタート。Webコンサルティングやアウトソーシングなど新しいビジネスコンテンツをはじめ、経営計画や 決算カウンセリングの開発を手掛け、多くの会計事務所の注目を集めている。また、AAM(米国会計事務所マーケティング協会)の正式メンバーとして常に最 新情報を入手し、日本の会計事務所業界の成長発展に貢献している。



