事務所経営ニュース

拡大なき事務所は淘汰!?

生き残りをかけ、常に増客・増収を意識する文化を根付かせよう!


「これまで特に営業活動を意識して行ったことがない」。こんな会計事務所は決して珍しくない。しかし、昨今の不況による倒産・廃業で企業数は減る一方。顧問先数が自然減を強いられているケースも目立つ。これまで営業活動をしていなかった事務所は、危機感を持って増客・増収を念頭に置かなければいけない時代に突入したといえる。


 秋こそが会計事務所の営業シーズン


会計事務所が成長を続けるとはどういうことか。顧客を獲得し、それに応じて職員を増やすことである。つまり「営業活動」が必要不可欠。事務所が誇るサービスをコンスタントに提供するには、絶えず営業活動を続けなければならない。

営業活動を続ける際に求められるのは、営業して事務所を拡大するという意識を企業文化として根付かせること。基本的に会計事務所は所長税理士をはじめとして営業が苦手なメンバーが多い。相当強い意識改革をしないと、営業活動をルーチンワークに組み込めないだろう。

一方、会計事務所は確定申告や決算等の繁忙期が存在する。そんな時期に営業活動を両立させるのは容易ではない。しかし、1年を通してみると秋は最も営業活動をしやすいシーズンといえる。これまで営業に本腰を入れていなかった事務所にとっては、今が営業活動を始める絶好のタイミングといえるだろう。

営業を止めないことを企業文化にするためにはどうすればいいか。事務所を挙げて営業キャンペーンを実施することが最も効果的である。

大規模会計事務所では営業キャンペーンを大々的に行い、3ヵ月ほどのキャンペーン期間中に100件前後もの新規を獲得するケースもある。しかし、小規模事務所ほどこうしたキャンペーンを実施するまでに至らない傾向にある。

当社が主催するFANアライアンスでは毎年、メンバー事務所が一緒になって営業キャンペーンを実施している。

以前は年に数件程度しか新規獲得がなかった事務所でも、他の事務所と合同でキャンペーンを行うことで、3ヵ月ほどの期間中に10件前後の顧客を獲得している例がある。

年間顧問料に換算すると約1000万円。キャンペーンを実施するのとしないのとでは、事務所の収益に大きな差が生じるのだ。


 営業キャンペーン3つの留意点


営業キャンペーンを実施するにあたっての留意点は以下の3つ。

①事務所のセールスポイントを決める
②営業ターゲットを明確に選定する
③営業活動の委員会をつくる
一つ目の留意点は、事務所のセールスポイントを決め、誰に何を売るのかを明確にすることである。中小企業の社長が「あ、この会計事務所に頼んでみよう」と思わせるようなセールスポイントとなるキーワードを事務所のみんなで考えることが、営業活動のはじめの一歩にあたる。

キーワードを決める際、「租税正義の実現」といった税務・会計の観点の言葉から一歩前に踏み出してみることをおすすめする。「企業の経営をサポートする事務所」「ビジネスの成功を応援する事務所」というように「当会計事務所に頼むと、こんないいことがある」という未来を示すようなキーワードが、社長の心をつかみ、新規獲得に寄与するのだ。

二つ目は営業ターゲットの選定。つまり、どんな業種、規模の企業を積極的に営業していくかを決めることにあたる。

これに関しては現在、いわゆる「儲かっている業種」に乗っかることをおすすめする。今から建設業や不動産業といった構造的に厳しい業種を取り込もうとするよりは、ITやソフト、サービス業など、好調な業種に絞って営業アプローチをかけていくといいだろう。

三つ目は委員会をつくること。「営業委員会」「新規拡大委員会」など委員会の名称はなんでも構わない。責任者を決め、委員会メンバーを中心に営業ツールを作成したり、キャンペーンの進行を管理する。こうした仕組みをつくると、所長はかなり楽になる。

ツールの作成は、会計事務所の営業活動には欠かせない。提案書やアプローチブックといったツールがあれば、どんな職員でも簡単に話を切り出せる。営業が苦手な職員でも、顧客の前でアプローチブックを広げて読み上げるだけで、最低限の営業活動として体裁が整う点は見逃せない。

「うちの職員は、みんな営業が苦手」という事務所は、職員にここまでやってもらえば十分。後のクロージングは所長やベテラン職員に任せてしまえばよいのだ。


 
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