事務所経営ニュース
米国会計事務所はWeb上の評判を重視
「監査業務のウエート減少」「大規模事務所シェア低下」から見えるものは?
米国会計事務所は、今まで以上にWebマーケティングに傾倒している。今回は、約20年続く米国会計事務所のマーケティング担当者のためのカンファレンスであるAAM(Association for Accounting Marketing)の実態と全米会計事務所のトレンドを紹介する。
「78:14」の意味するものは?
6月2日から4日間、テキサス州のオースティンで開催されたAAMサミット。全米から500人前後の会計事務所マーケッターが集結した。
サミット中で「78:14」という数字が提示された。これは何か。米国のある調査によると、商品購買のきっかけの割合は「口コミ」が78%、「宣伝広告」が14%という結果だった。つまり、8割近くはインターネットや知人・友人からの口コミをもとに商品の購買を決めている。宣伝広告の文言が決め手となったケースは、14%に過ぎないのだ。
インターネットでの評判というと、米国ではSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)が中心。SNSとは人と人とのつながりをサポートするコミュニティー型のWebサイト。日本ではmixi(ミクシィ)が有名だ。AAMでも「SNSの活用方法」という選択講義が設けられているほど、米国会計事務所業界に浸透しつつある。
今や米国の会計事務所ではWebというテクノロジーを駆使することが生き残りの条件となっている。テクノロジーの第一段階は「会計業務を円滑に行うための各種ソフト」、第二段階は顧客とのコミュニケーションを円滑にするためのツール、そして現在の米国は第三段階として、顧客を獲得するためのツールという位置づけでWebというテクノロジーを活用している。まだまだ第一段階=会計ソフトの状態といってもいい日本とは、この点が大きく違う。
また、ソーシャルメディアと呼ばれる各種ITツール(音楽、テキスト情報、動画、画像など)の活用も盛ん。無料で使え(No cost)、迅速性に富み(Instantly)、世界中のコンテンツを入手できる(World-wide)点が重宝がられている。というよりむしろ、以上の点が各種情報入手の条件になっている。
高付加価値のキーワードとは?
実際のところ、米国の会計事務所業界は世界最先端のWebマーケティングを駆使しているのかというと、そういうわけではない。SNSにしても、他業界のビジネスマンの間で大いに普及した後、流行の波が来ている。「世間の流行とタイムラグがある」という意味では、日本の会計事務所業界と共通しているといえるだろう。
そして、米国のどこの会計事務所でもマーケティングに注力しているということではなく、事務所によって取り組み方に温度差がある。しかも、事務所の規模が大きいほどマーケティング活動が盛んだとは、一概にいえないようだ。しかし、それでも日本の会計事務所業界よりは、マーケティングに対する意識が格段と高いのは間違いない。
現在の米国会計事務所業界では、本来の監査業務のウエートが縮小傾向にあり、高付加価値業務へとシフトしようとしている。また、大規模会計事務所の市場占有率が低下傾向にあるという。
これは何を物語っているのか。規模が大きくない会計事務所でも、独自に付加価値の高い業務を打ち出せば、業績拡大が可能ということを示している。それにはWebというテクノロジーを駆使したマーケティング活動を実践し、多くの人に認知されるようアクションをとることが不可欠なのだ。
米国の会計事務所では現在、高付加価値化対策として「ファイナンシャルリテラシー」に力を入れているところが多い。「ファイナンシャルリテラシー」とは「お金に関する数字を読み書きする能力」。簡単にいうと、会計数字をわかりやすく顧客に伝えることになる。これは、今後の日本の会計事務所業界にも同じことがいえるだろう。
「事業承継」「M&A」が急務課題
また、米国会計事務所の急務課題として「事業承継」「M&A」が挙げられる。5年以内に半数の事務所が承継問題を迎えるという。米国会計事務所にはパートナーが多いということも背景にあり、M&Aをはじめとした再編・承継問題が頻発している。
日本の会計事務所においても同様。「後継者不在事務所の多さ」「税理士の高齢化」から、事務所の存続をかけた事業承継、M&Aが増加するものと思われる。
会計事務所が生き残るには「他の事務所を買い取って大型化する」か「力のある事務所に売却する」の2通り。事務所を売るにせよ買うにせよ、付加価値を高めて明確なブランディング活動をしないと淘汰されてしまう。 「会計事務所のトータルマーケティングカンパニー」を掲げる当社では、今後もマーケティングを核としたブランディング活動や、新たにM&Aのソリューションにも力を入れ、会計事務所経営をサポートしていきます。どうぞお気軽にご活用ください。

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