広瀬元義・勝手にコラム『業界最前線』

<vol.2>乱立する税理士紹介サイトは誰の視点に立っている?

顧問先の新規開拓のスタイルが昔と今では変わりつつある。以前は銀行の紹介などが多かったのだが、最近ではWebでの税理士紹介サイトによる顧客獲得も増えている。

当社では8年前に「会計マップ(現・顧問税理士ドットコム)」という税理士紹介サイトを立ち上げた。その当時、同じようなサイトをやっているのは当社以外に1、2社程度しかなく、当社は草分け的な存在でもあった。そうした立場を踏まえて、税理士紹介サイトの現状について考察してみる。


現在の紹介サイトでは税理士を選べない!?


現在はものすごく多くの税理士広告サイトが存在する。一つひとつを見て気づいたことだが、現状の税理士広告サイトや紹介サイトは、まったく人を介していない。ひところと違ってあまりにも情報が多過ぎて、結局は税理士を選べないのではないだろうか。

私が実際に税理士を選ぶとしても、検索サイトで何人もの税理士を探してそれぞれアプローチするなんていう気にはなれない。信頼の置ける人から紹介されるのがいちばんだと思っている。つまり、コンシェルジュ的存在の人や組織が、税理士選びには必要となってきたといえる。

現在、税理士を紹介する、いわゆる「紹介業者」はここ数年で急増した。

それらの税理士紹介サイトを見ると、いいかげんなものから、詐欺まがいのものまで乱立しているように思える。

しかし、どの紹介業者のWebサイトを見ても外見は立派だったりするので、どの紹介サイトから選べばいいのか、一般の経営者は判断できないだろう。

そして、現在の税理士紹介ビジネスは、本当に経営者が求めている良質な税理士を紹介しているものが極めて少ない。紹介業者が自らのビジネスを成功させるためだけにしか運営されていないのではないか。

「ある広告サイトに登録したところ、数件紹介されただけで料金を請求された」「『登録してから1件も紹介がない』と、業者に文句を言ったら、すぐに小さな居酒屋さんを紹介された。どうしようもないところだったけれど、お金だけはしっかりとられた」

最近、私は税理士からこのような相談を多く受けているが、なんとか対策を考えてみた。


「税理士を紹介して」という声が近年急増


現在、当社が運営している税理士検索サイト「顧問税理士ドットコム」は、検索エンジンで「顧問税理士」と入れると、いちばん上に出てくる。このサイトをやっていて感じたことだが、最近は当社に「税理士を紹介してほしい」というメールや電話での問い合わせが非常に増えてきた。紹介サイトを見ただけでは、税理士を誰にすればよいのか、わからないからだ。

当社では、こうした点を踏まえて、問い合わせをくれた経営者に税理士を紹介したケースが何度もある。昨年秋ごろから、このような依頼が急増し、ここ1年で100件ほどの税理士を紹介してきた。

ここまで問い合わせが増えたことから、きちんとした仕組みをつくることを急務と考え、このほどようやく形にすることができた。今年6月から、当社では税理士を経営者に紹介する部署を本格的に稼働させることにした。

私はこれまで全国の税理士3000人以上と名刺交換をしてきた。残念なことだが、全員が全員、素晴らしい税理士と思えるわけではない。当社としては、経営者の

役に立つ良質な税理士を選りすぐって、一般企業に紹介することをビジネスにしていきたい。



広瀬 元義
株式会社アックスコンサルティング 代表取締役


会計事務所マーケティングの第一人者。1988年 株式会社アックスコンサルティングを設立。不動産コンサルティング、会計事務所向けコンサルティングを中心に業務を展開。2005年からは、会計事務所のネットワーク組織『FANアライアンス』を新たにスタート。Webコンサルティングやアウトソーシングなど新しいビジネスコンテンツをはじめ、経営計画や決算カウンセリングの開発を手掛け、多くの会計事務所の注目を集めている。また、AAM(米国会計事務所マーケティング協会)の正式メンバーとして常に最新情報を入手し、日本の会計事務所業界の成長発展に貢献している。



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